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ちょっと記事が前後しますが、感激を少しでも忘れないうちに
書きたいと思ったので、最新トピックを先に更新します。



フェイスブックの投稿で憧れの「未在」へ行っていた
私のお友達のMTさん。
心底「いいね」と思いながら「いいね」ボタンを押し、
心底「羨ましいです」というコメントを書いたのが1年3ヶ月前。

すると「ゆかこさん。もしよろしかったら次の予約をお譲りしましょうか」
と信じられないご連絡をいただき…
「絶対それいくーー!!いつですか?」
と聞いたところ…「8月やねんけど…」(その日は5月だった)
「3ヶ月待ちかぁ!全然OK」
と即答する私に笑いながら
「それがね、来年の8月やねんよ」
「ええええええ…」
驚きはしましたが、それでもいい。行きたい。
と予約を譲っていただきました。

18時食事一斉スタートのため、
17時45分にはお店へくることもルールです。
また、料理の写真は撮影できないので、今回のブログには
お料理の写真を掲載できません。
泰人さんに「ライターとしての描写力が問われるところですな」と言われ
変に緊張感を持っていて前日は興奮も重なって2時まで寝られないという…。

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円山公園の奥にひっそりと美しく佇むお店へ指定の時間の少し前に到着。

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すでに到着された方と目が合い、にっこりと会釈。
この日の食事を共に楽しむ皆さんです。

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まず、席につくより先に待合で熱々のおしぼりを出していただき、
最初に出てきたのは目にも鮮やかな自家製の紫蘇ジュース。
窓から差し込む光に氷が入ったグラスをかざすとキラキラして涼やか。

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間もなくして席に案内していただきます。
私たちの席はカウンターの真ん中あたり。
カウンターには定間隔に油灯が置いてあり、
その火のゆれ具合が目に入ることも癒しです。
蟹や金魚、蜻蛉を配した季節のしつらえも素敵。
席から見える外の岩壁と水の流れにミストの演出。
お弟子さんたちが「おいでやす」と頭を下げて次々にご挨拶に来られる様子も
清清しい気持ちにさせられました。

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茶懐石の作法に則って料理はスタートします。
大将がお膳をお客さん一人一人に手渡ししてくれます。
「ようこそ。おいでやす」
お膳を通じて伝わる大将の手から緊張感と期待とおもてなしの心を感じます。

お膳に乗っていたのはお椀が2つと紅白の水引で包まれた大きな蓮の葉。
そしてその蓮の葉の下に隠れるように小さな一皿が隠れていました。
「左のお椀のふたと右のお椀のふたを同時にとってそのふた同士を重ねてください」
大将の指示どおり、そっとふたをはずし、重ねます。
「米の甘みを感じていただき、あとは赤だしと交互に召し上がってください。
米は私の出身である島根県の仁多米を使っております。
蓮の方は、まだ開かないでくださいね。開いてしまうと食べにくくなりますから笑」
この時点でまだアウェイ感、緊張感はありますが
「開いたら食べにくくなるよ」と教えてくれた大将に感謝。
ほら、私ってそういうのすぐに開けたくなってしまいますから…。

奥出雲産の仁多米の煮えばな
冬瓜の赤だし。


仁多米がおいしいということは泰人さんのお母さんが島根県出身なこともあり
知っていましたが、赤だしと交互にいただくことによってさらに膨らみを見せます。

冬瓜の赤だしの冬瓜はスクエアカットされていて、その上に僅かな芥子。
野菜の切り方ひとつで食感が変わるということ、見た目の美しさだけでなく
味と出汁の染み入りかたまでも計算されていると感じました。
この切り方で冬瓜を食べたのは初めてです。

蓮の葉に包まれた先付

紅白の水引をすっと引くと蓮の葉がお膳の上に広がりました。
中には下から順番に旨出汁で作られたジュレ、蓮根霙餅、スナップ豌豆のペースト、
その上に薄ピンク色の蓮の花びらが一片。
花びらの中には蓮の実を揚げ、軽く塩味がつけられたもの。

ちょうど先日、徳島で蓮畑を見てきたところで、
その際も「蓮の花ってなんて美しいんだろう」という話をみんなでしたのですが
蓮の美しさが料理としてこれだけ忠実に再現されていることに驚きを隠せません。

ネットリとした食感の蓮根霙餅とジュレ、豆のペーストを一緒に食べたり、
それぞれ単品で食べたりして組合せの妙を楽しみます。

お造り

「とにかくお造りの量が多い」と噂に聞いていたお造りが登場です。
美しい大鉢に氷と鮮やかなあしらいが敷き詰められています。
それが、2皿。
一人に1皿が盛られているのではなく、2人で2皿をシェアするかたちです。

ちり酢、塩酢、鯛肝柚子胡椒(これは瓶で欲しくなる)

1皿目
愛媛産の天然鯛、鯵、鱧、長いも、蓮芋、醤油と昆布の煮凝り
鯵には九条ねぎと生姜のペーストが乗っています。
鱧は2種類の薬味がついたものがそれぞれ2切れずつあり、
ひとつは梅肉、ひとつは海苔。
鯛は部位を変えて5切れ。
大将が「鯛に鯛肝柚子胡椒をのせて食べてみてください」と
勧めてくださったのでもちろんそのようにしていただきます。
絶妙な弾力、味の深さ。鯛の肝ってこんなにおいしいのですか。
先ほどまで「緊張する」と言っていたくせに、急に勢いがでてきます。

2皿目
剣先烏賊が4切れ
烏賊をゴマ和えにしたものが2塊、
オーストラリア産の120キロ鮪の美しい中トロには辛味大根が沿えられています。
マグロ赤身の漬けが1切れづつ(分厚いので1切れ感はあまりない)
マグロの皮の塩焼きが4切れ。
エゴマ葉と海ブドウ。

「いろんな組合せを楽しんでください」
と大将がおっしゃりますが私は鯛肝柚子胡椒がたいそう気に入りました。
鯛は全部ソレでいただきましたよ。

見逃せないのが醤油と昆布の煮凝り。
醤油代わりに使ってください、とのことでしたがこれがとても使いやすい。
家ではできない技ですね。

椀物

明治時代に作られた美しい柄違いのお椀に入って出てきました。
私の柄は蝶々。泰人さんは鈴虫でしたが、
「僕の…虫やな…」
となんだか残念そうにしていました。
「鈴虫よ。音色の品がいいですよ」
と言いましたが鈴虫の見た目があまり好きではないのでしょうね。
なんとなくわかる気はする。

椀種は鮑を超絶柔らかく煮込んだものが上に重ねられた
くみ上げ湯葉と、いたち胡瓜、鮑の肝でした。
いたち胡瓜は京の夏の料理によく登場します。
海外の胡瓜っぽくてズッキーニと冬瓜の間ぐらいの感じ。

私は鮑を別にそんなに好まないのですが
そういう好まない食材で唸らせられるというのは、料理人からすると
「やったった」的な瞬間のうちのひとつなのではないでしょうか。

これはまさに食べる側からすると「やられた~!!まいりました」の一皿。
あしらいの可憐な細さもそうですが鮑の柔らかさ、
出汁からは高貴さすら感じられます。
完成された世界がお椀の中に広がっています。

黒毛和牛の焼物

懐石料理において肉が出てくるパターンというのは珍しいですが
最近は少しずつ増えているようですね。
どのような食材も大将の腕にかかれば新しいステージへ上がれる、
そんな風に感じさせられる焼物でした。

牛肉に、複雑にバランスをとってくる香草のサラダ。
甘唐辛子の爽やかな辛味。
イタリアンパセリや大葉の若葉。
香ばしく焼かれた肉の上にはそれぞれルバーブのペーストが少しずつ乗っています。

絶妙なタイミングで焼かれた旨みが牛の中まで溶け込んでいます。
無駄な脂を感じませんがとてつもなく、ジューシー。
それにソースとして出されたのは日本ミツバチの蜂蜜に実山椒を漬け込んだもの。

牛肉と蜂蜜合わせてみよ~って、普通思いつかないでしょう!
ただでさえ私は蜂蜜が好きなのに、これは家でも真似したくなる。
(たぶん色々ほかにも隠し技が入っているだろうから、再現はできない笑)

蜂蜜と絡む牛肉を食べながら、
「もしかしたら大将…クアトロフォルマッジオのピザ食べながら思いついたんだろうか」
などとたぶんハズレの予想を繰り広げる私でした。

すっぽんの煮凝り

冷たい茶碗蒸し超豪華版、とでも言いましょうか。
すっぽんのジュレがたっぷり入った夏らしく涼やかな一皿です。
エンペラ(すっぽんの皮部分)が入っており、ジュレの中にアクセントをつけています。

底の方には煮含めた麩が入っていてフワフワとトゥルトゥルの喉ごしを
堪能することができます。
だしを自在に操る大将の真骨頂ですね。
すっぽんの出汁の品がいいこと。

琵琶湖の天然鮎

笹のかたちの長皿に乗って出てきたのはこぶりの天然鮎。
上にはオリジナルの蓼ソースがかかっています。
横には紅芋茎の酢漬け。

カラリと焼かれたヒレ部分まで香ばしく、鮎を食べると
夏のよさを感じます。普段暑いのが嫌いなので文句ばっかり言ってますが
鮎や鱧など夏の食材を食べると夏を心ばかりは楽しめる気がするのです。

団扇盆八寸

鱧の子、鴨ロース、蛸のやわらか煮、とろろいも、やまもも、
鮎甘露煮、茶豆、鯛笹寿司、桃の微塵粉揚げ、才巻海老、きぬかつぎ、
桜海老煎餅、玉子カステラ、雲丹モズク

思い出せるものがこれぐらいなのですが、
ひとつひとつが美しく朱と塗りの団扇の平膳に盛られてきました。
すべてが丁寧に作られていて、どれひとつとしてオマケ感を感じさせないのは
さすがの一言です。

桃の微塵粉揚げは、常連客の方の中にも大ファンがいるようで、
これだけを別盛りでもってきてもらっている方も。
(通常はそのようなイレギュラーな対応をされません)

たしかにおかわりしたくなるおいしさではありますが、いかんせん
初訪問の店なので静かに出されたものを味わいます。
器と盛り付けのセンス、バランスが素晴らしく、
「夏休みどこにも行かなくてもいいや…だって、日本の夏をこれ以上凝縮できるだろうか」
とすら思わせられる料理です。

加茂茄子の焚合せ

大ぶりに切られた茄子はただ、ひたすら、上品。
出汁によって茄子のランクが何段階もアップ。
ぜんまいの信田巻き、華厳ささめにんじんと青みの野菜(何かどうしても思い出せない)の結び。
「華厳ささめ」という言葉をどうしても忘れたらいけない、と必死になって
青みの野菜が何だったかを忘れてしまったのです。
私の頭の構造はひとつ覚えたらひとつ忘れる寸法なので、
今回の料理の数々を記憶に留めるために、
ほかのいろんなことを忘れたと思いますが、それすら厭わない。
そんな気持ちにさせられるお店なのです。

強肴(酢の物)

「こちらで最後の酒の肴ですよ」
と大将がお客さんみんなに告げられます。
最後の、という言葉がなんだか寂しい。この時点ですでに
もう食べられない、と言い出している奥様方も多かったのですが
私と泰人さんは「これぐらいやったら全然余裕や」と鼻歌交じりです。

登場したのは、蟹味噌のかかった毛蟹、明石産半夏生蛸、琵琶鱒。
日本古来種だという琵琶鱒はまったく臭みを感じず、(当たり前といえば当たり前か…)
やわらかい口当たりにただひたすらウットリ。

そして、蛸へ入れた細かすぎるほどの包丁仕事は圧巻。
ぶつ切りの蛸が苦手な私ですが、こちらはもはや、蛸であって蛸でない。
何か違う魚なのかと思いました。
口に入れるとたしかに蛸を感じるのですが、こんな食感の蛸は初めてです。

ごはんとおつけもの

ご飯にお焦げを乗せて、「焦がし湯」を注ぎます。
これも初めて食べました。
お焦げがこんなにも上品に仕上がってくるとは…。
中華でよく出てくるジャーーーっとなるパンチのあるものとはまったく別物。

「おかわり、どうですか」
と大将に聞かれるがまま、おかわりをする私と泰人さん。
ほかにもおかわりをしている方はいましたが、
大部分の方は「もう無理です。笑」と半笑いでした。
もちろんバラエティに富んだお漬物もすべて平らげます。

わらびもち

トロトロに仕上げられたできたての本わらびもちに
和三盆糖の蜜。そこに加わる秋田産のジュンサイ。
トロトロのスーパーコンボです。
そこに黄粉がかかっているのですが、黄粉の粉感が私はどうも苦手なようで
またゲフゲフと咳き込んでしまいました。
(菊乃井カフェでもゲフゲフになって大変でした)←その時の記事はこちら

これに関してはゲフゲフが邪魔してあまり味に集中できませんでしたが、
甘さは控えめで上品だったことは間違いありません。

晩柑のゼリーとフルーツ

夏柑糖を彷彿とさせる晩柑のゼリーでしたが、夏柑糖と違うところは
ところどころに果実が入っているところ。
さらに、添えてあるシャインマスカット、ピオーネ、イチジク、ビルベリー、マンゴ。
イチジクの上にはロゼシャンパンのゼリーがかかっています。
ほろ苦くて、背筋がシャンとする。
お隣の奥様が「これ、よかったら召し上がらない?」
と自分の分をくださったので私は2人分のゼリーとマンゴを食べたことになります。

噂に未在のデザートには40種類ぐらいのフルーツが出てくる。
と聞いていたのでこちらが登場したときには
「え。今日は数種類ぐらいか」と思ったのですが…。

フルーツカクテル

怒涛のデザートラッシュ。
これです。これが噂の数十種類のフルーツが使われたデザート!
と目を見開く私。
美しいグラスに小さく切られたフルーツがこんもりと山を作っています。
「本日は、コースの中でフルーツだけで59種類使っています」
とのこと。もはや、数えられませんが目視しただけでも確かに、
相当な数のフルーツが使われていました。
ドラゴンフルーツは白と赤の二段構えで登場。
上に乗った緑の葉は「ステビア」でした。
「これだけで食べてみてください。甘いですよ」と大将に勧められるがままに
口へ入れてみましたがたしかに不思議なほど甘い!

大将が一人ひとりに
「お腹いっぱいになりましたか」と聞いてくれます。
「はい、ご馳走様でした」
「十分です」
「お腹いっぱいです笑」
と続いて私たちの前に大将が立ちます。
ゆ「おいしかったです!」
大将「よかったです。ご主人はお腹の具合はいかがですか」
や「まあ、まだ何かあるのなら食べられますけど…」
大将「え。笑」
ゆ「まぁ、あれば食べるよね」
大将「ほんなら、おなかに余裕がある人には生姜のシャーベットありますけど」
「はい、それ絶対たべるー」
もう、こうなってくるといつもの調子です。
最初はあんなにアウェイ感を感じていたのにすっかり寛がせていただいたこと、
心からのおもてなしを受けたこと、全力で楽しめたこと、
ベストコンディションで臨めたこと。
一座建立というのはこういうことか。
お・も・て・な・し…オモテナシ!!!
と心の中で興奮気味に叫ぶ私でした。

次回の予約はどうされますか。
と聞かれて「次いつなんですか」と返したところ
お弟子さんが「2020年の3月ですね」と申し訳なさそうに回答されました。
オリンピックイヤーですやん。
そして3月だから「あぁ、今年10周年の結婚記念日ディナーですな!」
と予約を入れさせていただいたのですが
お弟子さんが冷静に「今9周年だったら11周年ですね」
と突っ込まれて「ほんまや!!」ともはや、まともに足し算すらできていない自分が
いかに夢見心地だったのかということを思い知らされました。

帰り道はすっかり暗くなっていたのでお弟子さんたちが提灯で足元を照らして
階段の下まで連れていってくれます。
すべてがスペシャルモーメント。
いつかは訪れたい、一生に一度は訪れたい、と恋焦がれた
憧れの店の空間に溶け合えたことを今年の夏の思い出として
酷暑を乗り切りたいと思いました。

そして、さっきまで「一生に一度でいいから行きたい」と言っていたのに
全部の月を体験してみたい…と思ってしまったのは大将の腕前によるものでしょう。
月、フルコンプ。せめて季節フルコンプをしたくなるご馳走でした。

MTさん、予約を譲っていただいてありがとう♡


未在


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